トランスナショナルアーティスト。1998年に来日。東京で音楽レーベル「茶柱Cha-Bashira」を立ち上げ、同時にアート・ショップを展開。山辺圭司(Los Apson?)、野界典靖(Kurara Audio Arts)、中原昌也らと交流を深めながら、自らもミュージシャンとして、フィールド・レコーディング作品を発表したり、ライヴ活動を行った。
2002年以降は活動の場を美術のフィールドに移し、身の回りにある日用品を主な素材として用いたインスタレーション作品を発表。「こもれび」展(水戸芸術館現代美術センター/2003年)、「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望2004」(森美術館/2004年)などのグループ展に参加、SCAI THE BATHHOUSEで個展(2004)を開催している。2003年・2004年には、武蔵野美術大学で連続講義を担当した。
彼の作品のテーマのひとつは、集団的な想像界において、神経生理学的ないし生物学な意味で、また空間的な観点から、どのように「リアリティーの構築」がなされるのかというもの。そして、誰もがスケッチ的で未完成な性質の知覚や方向感覚を通して世界を見ていることや、二つのものの中間にある文化が持つ空間性やリアリティーといったテーマが、しばしばそこに重なっている。彼の作り出すインスタレーションは、観客に作品の一部となるよう働きかける、それ自体多様な環境として機能するのである。
Photo: Courtesy of the artist.
ポル・マロ《Cognitive Environment (Setting for the Presentation of the Concept 'Cognitive Environments')》展示風景(森美術館「六本木クロッシング」展、2004)
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